鳩山さんがORの専門家ということで、思い出したのが、ORのフレーミング効果というものである。
つまり、社会的な最適解をORで求めようとすると、このフレーミング効果というものが、ORによる最適解の成立を邪魔してしまうというものである。
今回の政権交代にたとえて言えば、今回の総選挙の争点を、有権者がどのような枠組み(フレーム)の中で理解し、政党を選択したか、ということになる。
選択肢1
民主党が政権を獲得するまでに増え、自民党が政権を降りるまでに減る
選択肢2
民主党が300人にまで増え、自民党は、100人にまで減る。
選択肢1と選択肢2とは、実質同じ意味の選択肢である。
これを、次の質問で有権者に問うたばあい
質問1
民主党が政権を獲得するにまで増え、自民党は、100人にまで減る。
質問2.
民主党が300人にまで増え、自民党が政権を降りるまで減る。
質問1で問うた場合、多くが選択肢1を選択し、
質問2で問うた場合、多くが選択肢2を選択する。
つまり、二者択一の質問の前段のほうのに提示した選択肢のほうに、優先してバイアスがかかってしまうというわけですね。(「朝三暮四」のことわざとおんなじですね。)
で、総選挙が終わり、多くの有権者が、民主党勝ちすぎ、自民党負けすぎ、との感じを抱いているのは、今回の総選挙が、上記の質問1で問われる要素が強かったということをさしている。
つまり、フレーミング効果が、今回の総選挙の結果に、バイアスとなり、圧倒的な両党間の数の差となつて現れた、ということだ。
では、民主党政権発足後には、今後、このフレーミング効果は、どう働いてくるのだろうか?
ということは、どのようなフレームで、今後、国民がマスコミに左右されずに、新民主党政権の評価を問うか、ということになるのだが。
政権のマネジメントの帰趨によっては、大いに、このフレーミング効果による逆襲ということもありうるのではなかろうか?
それにしても、テレビ画面では、若いときに目を通していたこともある「月刊 オペレーションズ・リサーチ」誌という雑誌が、図書館から借りたことを如実にあらわす、青印の丸印入りで紹介されていたのには、笑ってしまったのだが。