笹山登生のウォッチ&アナライズ –


2009年9月13日

鳩山政権にフレーミング効果の逆襲はあるのか?

Category: 未分類 – Tatsuo Sasayama – 9:03 PM

鳩山さんがORの専門家ということで、思い出したのが、ORのフレーミング効果というものである。

つまり、社会的な最適解をORで求めようとすると、このフレーミング効果というものが、ORによる最適解の成立を邪魔してしまうというものである。

今回の政権交代にたとえて言えば、今回の総選挙の争点を、有権者がどのような枠組み(フレーム)の中で理解し、政党を選択したか、ということになる。

選択肢1
民主党が政権を獲得するまでに増え、自民党が政権を降りるまでに減る

選択肢2
民主党が300人にまで増え、自民党は、100人にまで減る。

選択肢1と選択肢2とは、実質同じ意味の選択肢である。

これを、次の質問で有権者に問うたばあい

質問1
民主党が政権を獲得するにまで増え、自民党は、100人にまで減る。

質問2.
民主党が300人にまで増え、自民党が政権を降りるまで減る。

質問1で問うた場合、多くが選択肢1を選択し、
質問2で問うた場合、多くが選択肢2を選択する。

つまり、二者択一の質問の前段のほうのに提示した選択肢のほうに、優先してバイアスがかかってしまうというわけですね。(「朝三暮四」のことわざとおんなじですね。)

で、総選挙が終わり、多くの有権者が、民主党勝ちすぎ、自民党負けすぎ、との感じを抱いているのは、今回の総選挙が、上記の質問1で問われる要素が強かったということをさしている。

つまり、フレーミング効果が、今回の総選挙の結果に、バイアスとなり、圧倒的な両党間の数の差となつて現れた、ということだ。

では、民主党政権発足後には、今後、このフレーミング効果は、どう働いてくるのだろうか?

ということは、どのようなフレームで、今後、国民がマスコミに左右されずに、新民主党政権の評価を問うか、ということになるのだが。

政権のマネジメントの帰趨によっては、大いに、このフレーミング効果による逆襲ということもありうるのではなかろうか?

それにしても、テレビ画面では、若いときに目を通していたこともある「月刊 オペレーションズ・リサーチ」誌という雑誌が、図書館から借りたことを如実にあらわす、青印の丸印入りで紹介されていたのには、笑ってしまったのだが。

参考「合意形成問題に関する一考察:フレーミング効果と社会的最適化の限界

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. | TrackBack URI

Leave a comment

XHTML ( You can use these tags): <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> .