このサイト「Signs that swine flu may have peaked」では、いろいろな見方を載せている。
たしかに、州によって、ばらつきがあるようだ。
フロリダでは、著しく、感染の衰えが見られるというし、一方、依然として、感染の拡大を示す数字を示しているところもあるという。
フロリダの郡の中にも、ばらつきがあるようだ。
学校、老人ホーム、刑務所、会社などでの感染数は、明らかに減っているという。
ここ二週間で、公立学校での集団感染は見られないという。
また、新型を理由にして、救急措置を求める患者数も、9月に比べて、明らかに減っているという。
これは、新型が出ない昨年の状況と、ほぼ、同じ状態で、通常の季節性インフルエンザでの事態の推移から予測すれば、新型インフルエンザのピークは過ぎつつあるのではないか、との見方をする専門家も多い。
地域によって感染のばらつきが見える要因のひとつとして、感染報告の時間的な遅れがあるという。
たいていの地域では、一週間か二週間単位での感染者の報告があるが、地域によっては、数週間前の報告があがっているという。
専門家の一部では、ピークは、すでに、10月末に来ていた、との見方をしている。
しかし、連邦当局では、それを言うのは、早計であるとしている。
たとえ、第二波が過ぎたとしても、第三波が来ないとは、誰しも、いえないからだという。
たとえば、1957年秋のアジアかぜの場合、1958年初頭に再び流行し、それが春まで続いた、という例がある。
また、季節性インフルエンザで見るように、最初は穏やかな症状であったのに、それに続いての外来ピーク、入院ピーク、死亡者ピークが、時間差でその後、続いていく。
したがって、今が、それらを含めての全体のピークにあるとは、なかなかいえないのだという。
これらの見極めは、今後、数週間のモニターを待たなければならないのだという。
しかし、一方で、ワクチン接種が、完全にタイミングを失したものになるとの指摘もある。
つまり、初動でのワクチンのデリバリーの乱れが、適切な時期でのワクチン接種のタイミングを逃し、新たな犠牲者を一方で生んでいる、という指摘である。
このことは、日本においても、言いうる現象であるかもしれない。
このサイト「For many, vaccine will be available after flu peaks」では、カナダのトロントの保健当局が、住民に対して、新型インフルエンザ感染ピークを過ぎた後も、ワクチン接種を勧めなけれはならない事情を次のように書いている
現在のところは、ワクチン接種に行列を作っている状態であるが、クリスマスのころには、保健当局は、今度は、逆に、住民に対して「どうかワクチンを打ってくれ」と懇願する立場にいるであろう、としている。
ワクチン接種から抗体ができるまで、10日かかるわけだから、少なくとも、今月末から12月上旬まで接種すれば、ピークに間に合うはずだが、クリスマスに接種したのでは、ピークを過ぎての抗体となり、ワクチン接種自体、何の意味もなくなるわけだ。
そして、保健当局が気づいたときには、周囲には、不要になったワクチンの在庫の山ばかり、ということになるからだ。
カナダでの感染ピークは、11月下旬から12月初旬であるとしている。
まあ、このニュースは、日本の厚生労働省にとっても、他人事ではない深刻さであろう。
何しろ、一回接種論を、足立政務官が、政治主導で覆して、一番、インフルエンザ脳症にかかりやすい小学生高学年の接種をクリスマスまで伸ばしてしまったのだから。
抗体ができるのは、正月明けでは、第三波が来ないことには、政治責任は、まぬがれ得まい。