2009年12月22日
全国土地改良事業団体連合会の会長を務める野中広務元自民党幹事長は21日、政府、与党の土地改良事業費半減方針をめぐり、予算の復活を民主党に陳情するとともに、来夏の参院選に向けて自民党からの団体推薦候補の擁立見送りも検討する考えを示した。(参考記事 )
というのだが、ここは、政党のおもちゃにされている南部明弘さんの方が、むしろ、かわいそうだ。
むしろ、ここは、順序が逆で、もし、野中さんがその意図であるならば、物事の順序としては、まず、全土連が、今後一切、参議院選挙を含む国政選挙にかかわるのをやめる決議をして、政治連盟(全国土地改良政治連盟)の解散をし、その後、野中さん自体が、政党色・政治色(過去古色ではあるが)をなくすという意味で、責任を取られて、全土連の会長を辞されれば、あとは、南部さんの問題は、はしごがなくても出るのか、はしごがなくなったから、出ないのか、という南部さんの個人的な問題にすぎなくなるのだが。
この際、山田俊男さんには、悪いが、土地改良政治連盟だけでなく、JAの農政連(全国農業者農政運動組織連盟)も、解体しといたほうがいい。
換票回路として、農業・農民を利用しようとする母体は、新政権に媚の対象を挿げ替えるのではなく、この際、解体してしまったほうが、農家農民のためだ。
昨日の一件は、なんとなく、野中さんの個人プレーのような感じがしてならないのだが。
つまり、組織決定もしないで、このような方針を示され、しかも、政権政党への恭順的陳情外交を先にされてしまうと、全国の末端土地改良区自体が、それこそ、政党間の「売られた花嫁 」的な存在になってしまうことを、野中さん自体が知るべきである。
私も、以前、土地改良区の理事長をしていた感じからいうと、全国の土地改良区の理事役員には、それこそ、共産党も公明党も自民党も民主党も旧社会党も旧右派も旧左派もいるわけで、それが、参議院選挙の時にまとまるのは、組織決定するからだけの話なんで、そこのところを野中さんが取り違えると、ちょっとおかしなことになってしまうのだが。
実際、私のような自民党を離党した者が土地改良区の理事長を務めていたときでも、自民党政権時代、なに支障なく、国営灌漑排水事業の予算は、しっかり新規採択され、しっかり、その後の予算もいただいていたのだから、政権が変わったからといって、そんなに、慌てふためく必要はないはずなのだ。
2009年12月20日
昨日の朝日新聞の戸別所得補償に関する記事「農家の戸別所得補償、満額実施へ 事実上の減反選択制 」に間違いがある。
「天下の朝日新聞の記者さんも、勉強する暇がないのかな?」などと同情してしまうのだが。
間違いの箇所は、次の部分である。
「算出のもとになる「販売価格」と「生産コスト」は、過去数年分の平均値を使う。その年の実績を用いると赤字全額を埋めることになり、世界貿易機関(WTO)が農業保護で貿易をゆがめる「黄の政策」と認定するからだ。直接支払制度を導入している欧米でも、過去数年間の生産実績をもとにするケースが多い。 」
このことについては、私が先月、農林水産省に提出した意見書(ご参照「私が農林水産省に提出した戸別所得補償制度に関する意見の全文 」)にも書いたとおり、WTOの農業協定では、次のようになっていて、この記事の言うような、
「その年の実績を用いる」 と黄色の政策となり、「過去数年分の平均値を使う」 と黄色の政策とみなされない、
などということは、ひとつも書いていない。
すなわち、
WTO農業協定付属書2.6(b)においては
「生産者によって行われる生産の形態又は量(家畜の頭数を含む。)に関連し又は基づくものであってはならない。」
とあり、
WTO農業協定付属書2.6においては、
「生産に係る国内価格又は国際価格に関連し又は基づくものであってはならない。」
とある。
その年の実績を用いようが、過去数年分の平均値を用いようが、WTO農業協定上では、「販売価格」と「生産コスト」に基づいた直接支払いは、黄色の政策とみなされているのである。
また、今回の戸別所得補償スキームでの家族労働費の算定がまだ明らかになっていないが、これについても、WTO農業協定においては、次のように、70パーセント以上の喪失収入を補償するものであってはならないとの取り決めがある。(戸別所得補償スキームでは、家族労働費の八割分算入なんて話もあったようだが、その後どうなっているんだろう?)
WTO農業協定付属書2の7(b)
「当該生産者の喪失した収入の七十パーセント以上の額を補償するものであってはならない。」
また、この朝日新聞の記事では、
「(黄色の政策となることを避けるために)直接支払制度を導入している欧米でも、過去数年間の生産実績をもとにするケースが多い。 」
とあるが、これも、正しくない。
すなわち、言われる『欧米』の『米』のほうであるアメリカの価格変動対応型支払いや直接固定支払いやACRE支払いにおいても、過去数年間の生産実績をもとにしているのは事実であるが、アメリカは、このスキームを新・青の政策(New Blue Box)としてWTOに求めさせようとしたが、失敗し、現在、WTOの場で、他の国から、このスキームは、黄色の政策であるとの指弾をうけている。
また、言われる『欧米』の『欧』のほうであるEUにおいては、すでに、2003年のFischer reform(New Cap)によって、それまでの1992年のMacSharry reforms(Old Cap)のスキームを大幅に変え、『直接支払いから単一支払いスキーム』へと変更しており、その内容は、、完全に生産からニュートラルなデカップリングとなっており、WTOコンプライアンス適合型の直接支払いとなっていることを、どうやら、この記事を書かれた朝日新聞の記者さん(署名記事で安川嘉泰さんと記されているのだが。)は、見落とされているようである。
このことについては、過日、赤松農林水産大臣が、WTO閣僚会議の場で、ボエルEU農業委員と個別会談したときに、ボエルEU農業委員が、日本の新政権が戸別所得補償制度を軸とした新しい政策を検討していることに触れ、WTO協定上、問題にならないかと赤松農相に質問したうえで、「EUのデカップリング政策を参考にしてほしい」と述べたとの報道がされている。
参考「WTOの場で、ボエルEU農業委員に戸別所得補償スキームの黄色度を注意されたらしい赤松農林水産大臣 」
2009年12月18日
うーん。
野党転落後の自民党の情報発信力は、極端に低下していますね。
そのことが、なかなか、自民党再起への道を遠いものにしていると見られますが、どうなんでしょう?
第一、谷垣さんのブログ を見ても、なるほど、こまめに更新はしているものの、その内容は、正直言ってつまりませんものね。
明らかに、秘書が書いているものと見られても仕方ありません。
第一、文体が生き生きとしていませんもの。
そのほかの自民党の議員、前議員のブログをみても、敵(民主党)のミスに対して、即座に適格な反論を展開していない、そんな感じが見られますね。
それは、Googleのブログ検索 でも、タイミングのいい反論が、自民党サイドから即座になされていないことからも、わかります。
たとえば、Googleブログ検索 してみればわかりますが、昨日の民主党の『土地改良予算半減』に対しても、ブログで問題提起しているのは、自民党でも民主党でもない、私のブログ くらいなもんでしたよ。
こういう類は、報道が出た即日に適格な論理で反論しなければならないのに、それが反論できていない。
その意味では、地方の自民党議員の情弱ぶりも、イタイですね。
やはり、自民党の中で、群を抜いているのは中川秀直 さんのブログと、河野太郎さんのブログ ですね。
この二つは、いい。
自分の考えで、言葉をつづっていらっしゃる。
単なる他党の批判ばかりでなく、自らの提案とビジョンをもって語っていらっしゃる。
(官僚依存型の情報発信に、多くの自民党議員たちは慣らされ、自らの情報発信力を磨くことを、これまで怠ってきたのかも知れませんね。だから、官僚が去った後には、大きな空白が、っていう今の状況なのかしら?)
今回の選挙で落選された自民党前議員の皆さんが、このお二人ほどの敏感さと機敏さを持って、海鳴りのごとく、なだれのごとく、情報を発信しつづけていけば、結構、力強い地鳴りは起こせると思うんですけれどもね。
間の悪いことに、今回の選挙で生き残った自民党の先生方の多くは、ベテラン議員で、しかも、ネットでの情報発信には、弱い方々ばっかりというのが、痛いですね。
小池百合子さんは、ツイッターで挽回、なんて意気込んでいるようですが、ツイッターと連携しうる大本の情報発信がなければ、つぶやきは、泡と消えてしまうんではないかしら。
情弱からの脱皮こそ、自民党再生の鍵と思うんですけど、いかがなもんでしょう?
えっ?情弱ってなに?なんて聞かないでくださいね。
現代の巌窟王やだるま和尚は、ネット発信でもって、獄中や隠遁先から、復讐への爪を研ぐことができると思うんですけどね。
2009年12月17日
昨日の民主党から鳩山内閣に対する予算要望で、戸別所得補償予算(要求額5618億円)を確保するために、土地改良予算(要求額4889億円)を半減するというのがあって、前半のほうはマニフェストにあったが、後半のほうは、マニフェストになかった、ということで、やっぱり、この戸別所得補償のマニフェストは、朝三暮四 ということだったのか、と、いまさら気づいている農家は、多いはず。
それにしても、いまや、新規事業が少なく、継続事業が大半の、現場における土地改良事業が半減となると、換地の途中で計画変更になったり、などと、さらに輪をかけて、大規模化のための土地集積事業にも、大きな影響を与えてくると思うのだが、現場のかたがたは、どう思っているのだろう?
ましてや、同意書の段階に入っている事業なんかは、もう、その段階で、三条資格者からは、見放されていくんでしょうね。
どうせ国民に約束するのなら、トレードオフの両方を同時提示してもらわなければ、農業の現場は混乱するばかりですね。
いくら全土連の会長が野中広務さんだからといって、また、自民党が次期参議院選挙で南部明弘(前・九州農政局長・農村振興局整備部長)さんを立てるからといって、その遺恨試合に農民を巻き込んでいくのは、どうかとも思いますね。
これからのマニフェストは、甘いマニフェストと、そのトレードオフとなる辛いマニフェストとを、両建てで提示すべし!!!!!
2009年12月15日
大学にはいって初めて渡されたのがサミュエルソンのEconomicsで、「えっ、こんな分厚いの英語で読めっての?」ってのが最初のサミュエルソンとの出会い。
当時は、今みたいに、翻訳本はなかった。(川田 寿さんの「サムエルソン・経済学概説』が出版されたのは、1958年でした。)
それでも、図示も多かったので、それほどの圧迫感はなかった。
で、政治家になったばっかりで、大平元総理の地元でのしのぶ会に出席のため、仲間の同期の政治家と空港で待ち合わせていたら、大田誠一さんが、このサミュエルソンのEconomicsを小脇に抱えて登場したのには、びっくりした。
そうか、彼の前身は、プロフェッサー(福岡大学経済学部助教授、ブラウン大学客員助教授)だったんだ、と、そのとき、初めて認識を新たにした。
(たしか、このとき、大田さんは、「コンパクトシティ / G.B.ダンツィク,T.L.サアティ[他]日科技連出版社, 1974」という本も抱えていたような。私もこの本、それ以前に読んでいたんで、印象的でしたね。)
サミュエルソンの「公共財と私財における資源の最適配分決定論」なんてのは、今の日本の陳腐な「大きな政府、小さな政府」論争を凌駕するものがあるとも思われる。
昨日のニューヨークタイムズのブログ
「Samuelson, Friedman, and monetary policy 」
で、クルーグマンは、次のように書いている。
「サミュエルソンは偉大な経済学者であったと同時に、現実の世界に対する正確な観察者でもあった。
これは、金融政策についてもしかりであった。
1980年代までは、多くのエコノミストたちは、ミルトン・フリードマンの主張でもあった「積極的な金融政策が大恐慌を防ぐ」との主張を正しいものとしていた。
このことについて、経済学者の幾人かが疑念を抱いたのは、1990年代の日本での失われた十年でのトラブルであったが。それでも、確たる疑念となるのは、2002年のバーナンキの宣言(参考「Bernanke: Federal Reserve caused Great Depression 」ミルトン・フリードマンが、2000年10月1日のPBSのインタビューで、1929年の大恐慌をつくったのは、FEDの責任であるといったことについて、2002年11月8日に、バーナンキがシカゴ大学で行った講演で、フリードマンの指摘は正しく、FEDとしてもすまなく思う、といったことをさしている。)にまで、待つことになった。
しかし、サミュエルソンは、すでに、1948年の彼のEconomicsの353ページから354ページにわたって、次のように記述しているのである。
““今日、FEDの金融政策を景気循環を刺激するための万能薬のようにみなしているエコノミストは少ない。
単なる貨幣的要因だけでは、その兆候が完全には無視できない悪化の効果を伴った兆候であっても、兆候と原因とは同じ程度のものである。
政府債やローンの量を増加させたり、また、加盟銀行の法定支払い準備率の引き下げによったりすることによって、準備銀行は、マネーの供給や銀行預金の増加を促すことができる。
しかし、彼らは、促すことはできるが、ドラスティックな行動をとることがなければ、彼らは、強制することはできない。
われわれがFEDの方針をもっとも必要としているような極度の不況のさなかにおいて、加盟銀行は、ともすれば、新投資を行ったりローンを組むことにためらいを見せる。
もし、FEDが、公開市場において、国債を買い、それによって、銀行準備金を増大させるなら、銀行は彼らの資金を向けないであろうし、ただ、保有金として保有するだけであろう。
その結果は、何も起こらず、ただ、銀行の遊休現金のバランスシートが、既発債のバランスシートに置き換わるだけである。
もし、銀行や大衆が利回りが低い英国債と遊休現金との間の選好にまったく関心がなければ、FEDは、既発債の価格をせり上げることに成功しないであろうし、これは同じことになるが、利率をせり下げることにも成功しないであろう。
たとえ、FEDが、短期金利を押し下げることに成功したとしても、彼らは、投資家たちをして、長期金利が低いままとなるであろうと確信させることはできないであるう。
もし、スーパーマンの努力によって、彼らが上位格付英国債や民間債の利率を引き下げることができたなら、モーゲージやコマーシャル・ローンや株式上場などによってファイナンスされたよりリスキーな新投資に科せられた利率は、硬直性を保つであろう。
すなわち、拡張的通貨政策は、実効金利をそんなには下げることにはならず、単に、すべてのひとにより流動性を高めるためにのみ使われるであろう。
貨幣数量説に関していえば、貨幣流通の速度は、一定を保ってはいないといわれている。
“あなたは、馬を水辺に引っ張っていくことはできるが、馬に水を飲ませることはできない。”
あなたは、貨幣代替物に近い国債と引き換えに、マネーをシステムに押し付けることはできるが、新商品や新雇用に対して循環しうるマネーを作ることはできない。
あなたは、いくつかについての利率を下げることはできるが、すべて同じ程度には下げることはできない。
あなたは、低い金利で企業家をして、借りる気にさせることはできるが、彼らをして、金を借り、それをあたらしい投資財に使わせることはできないのである。”” 」
クルーグマン氏は、このコラムの中で、サミュエルソン氏は、この当時の記述で、現在のわれわれの抱えるジレンマをすでに語っていた、としている。
2009年12月12日
鳩山首相が藤井裕久財務相を抜きに、44兆円の目標突破を容認する方向に傾いているとの報道もあり、閣内の混乱ぶりが目立ってきたところで、一部の海外勢はこうした点を日本売りの材料にして持ち出そうと手ぐすねを引いているという見方が市場にあるようだ。
積極的な財政支出と予想以上の税収減によって来年以降、国債が大量に発行されるとなれば、一時的には、円安に振れ、このことで、日本の株式市場にとっては短期的にポジティブ要因となる可能性もあるが、一方で、長期金利が上昇すれば円高に振れるおそれもある。
ただ、円債市場は、完全にドメスティックな市場なので、その点では、敏感に長期金利が上昇することにはならないであろうとの見方だ。
一方、円売りのほうは、ポジションの圧縮需要は強まっているので、何らかの理由付けをきっかけにして、円に売り圧力が急速に高まってくる可能性は強い、という見方だ、
その口実として、国債増発が、円売り誘発のための、日本の悪材料として使われる可能性は大きいと、市場関係者は見ているようだ。
以上のことから、鳩山内閣が、国債大幅増発をきめると、肝心の円債市場における長期金利の上昇には、当面はつながらないが、これをきっかけに、円売りを仕掛けられ、大幅な円安に向かうという見方が強いようなのだが。
果たしてどうなのだろう?
2009年12月11日
別に粘着君で追っているわけではないのですが、秋田県の誰が大潟村にペナルティを科すといったのか は、結局は、はっきり示すことができなかった、今日の赤松農相の記者会見でしたね。
12月8日の記者会見で赤松大臣が言われた次の言葉
「県の知事や農政部あたりの、そういう地方の幹部が理解してないと、今、何を言っているかというと、「いやいや、そんな造反してきた、あれやってきたやつは駄目だ」と、特に自民党の県議会何か、「あんな涌井(徹)みたいなやつ許せるか」と、「あんな者は今までどおり、割り当ては30パーセントだ」なんていうことを、平気で言っているわけです。」
が誰から発せされたのか、その発言の根拠を、赤松大臣は、具体的に示すことができなかったということです。
まあ、いったいわないの格好になって、赤松大臣にとっては、大臣記者会見らしからぬ、みっともない結果となってしまったようです。
結局、減反面積に「差をつけざるを得ない」なんてことは、秋田県の一般農家なり農政関係者なら、誰でも思うことであって、それを思わないのは、大潟村のヤミ米派ぐらいなもんでしょう。
ですから、この「差をつけざるを得ない」ということを県関係者が言うのは、至極当然、当たり前のことなのに、そのことを持って、赤松大臣が、会見で、エキセントリックに「秋田県は所得補償からはずす」などというのは、まことに因縁付け目的のたちの悪い乱暴な話ではあるんですね。
追記-今日の赤松大臣の『撤回する意思は全くありません。』発言に対する佐竹秋田県知事のコメントがはいつてきました。
「いわゆる減反(生産調整)に非協力的な農家は他県にもある。特に大潟村を取り上げるのは、どういう意図なのか」
まさに、そのとおりで、このペナルティ問題と新スキームとの関係は、一般論で論じるべきものなのに、赤松大臣が、大潟村に特化した問題として、浮世絵的に取り上げてしまったことに、混乱の最大の原因がありますね。
そして、その狂気ぶりを、農林水産省の官僚の方々が誰も指摘できないところに不幸があるように思われますね。
以下は、今日の赤松大臣の記者会見 の模様
(太線部分のところがポイントのようですね。)
記者
8日の会見での発言のことなんですけれども、大臣の発言について、秋田県内では、波紋が拡がっておりますけれども、発言の真意はどこにあったのかというのが一点、お聞かせいただきたいのと、あと、秋田県側で、大臣の発言が事実無根だということで、撤回を求めておりますけれども 、撤回するご意思があるのかどうかということをお聞かせください。
大臣
撤回する意思は全くありません。
まず、お聞きしたいのは、じゃあ、本当にペナルティー付けないのですかと。そういうことを皆さん言っていなかったんですかと。そういう人に聞きたいですね。
どの記事を見ても、「今は言っていない」とか、そういう話ばっかりで、じゃあ、僕らは現地にも行って来ました、知事とも話をしました、大潟村行った後で、現場では、皆さんと一緒ではまずいということなんで、お昼、食事をしながら、部長さんも、たしか、お見えになりましたし、お話をしました。そういう幹部の方たちも含めて、やっぱり、今までの経過があるのでなかなか難しいのですと、議会の問題もあるんですということを、当時、言われているわけですよ。
僕は、それを否定しようと、悪いと言っているんじゃないですよ。当然、そういうことがあるんだけれども、あるんだけれども、この戸別所得補償制度をどうしても成功させたいと、そのためには、今まで横を向いていた人、これに反対してきた人が、生産調整等に、そういう人たちが入らなければ、その人達が、コメを作り過ぎてきたわけですから、それでまた、全体に迷惑をかけてきたわけですから、そうでしょ、秋田県全体も、それに従ってこれなかったわけですから。
だから、そういう人を取り込まなければ、この制度は成功しないんです、秋田県ばかりじゃなくて全国的に。
ただし、誤解があるといけませんが、これは今まで自民党がやってきた強制力を持った制度じゃないんです。嫌なら入らなくてもいいんです。入りたいという人だけが入ってもらえばいいのです。だから、その代わり、私どもは、制度を見たら、これは入らなきゃ損でしょと、入らなかったら、暴落した時なんかどうするのですかと。それこそ、田地田畑を売ってでも、あれしなきゃいけないようなことだってあり得るかも知れない。
しかし、今度は、価格の変動があっても、それを全部みてもらえるわけですから。そういう意味で言えば、結果的にですよ、何回も言いますけれども、強制的にではなくて、結果的に、多くの皆さんが、進んでこの制度に入ってもらえるようになるでしょうと。
今日の、ここに朝日(新聞社)がいるから言うわけじゃないけれども、朝日新聞の囲み(記事)が、一番僕は正確な言い方だと思うのですけれども、だから、是非、皆さん、これに参加してくださいと、ね。ただ、自分のところで勝手に割当を作ったり、例えば、県が、地域ごとに、「お前のところは、今まで違反してきたから、ペナルティー分が何年分かあるんだ」と、「それが、そんな一年で解消できるか」と、「国が言ったって駄目だ」と言って、地域で、まず差をつけて、今度、大潟村の中で、今までやってきた人、反対してきた人、そこでまた差をつけてというと、30パーセントぐらいになっちゃうんですよね。作らない30パーセントは関係ないのです、そんなものは。10パーセントだっていいし、ゼロだっていいのです、作らないのだから。だけど、今度は、参加する人に、30パーセントと言ったら、「もう、やるな」ということなのです。
そういうことを、この制度は、もともと、一番最初に、ペナルティーは科しませんと。これはもう最初から言っていることなのです。秋田の問題があったから言っているんじゃないのです。最初から、ペナルティーは科さないのです。また、コメの方はできなくても、こちらの自給力のこっちの方でやったって、それだっていいのですよということも言っているぐらい、ペナルティーの問題というのは、全ての人に参加をしてもらうためには、必須条件なのですね。だから、そういうことを僕は申し上げた。
ただ、そういうことの中身が、きちっと分かってもらえれば、必ず、「秋田県は外すぞ」と言ったわけじゃないですね、僕は。「理解をしていただいて、ちゃんとこれに参加していただけるようになると思いますよ」と言って、この記者会見で言ってるんです。
ただ、今までの経過があって、そんなやつ許せるかとか、じゃあ、今まで俺たち協力してきたのはどうなんだとか、いうことに、言われる人は、いるのは事実ですから 、ただ、そういうことをやっぱり乗り越えないと、新しい制度に進む時は、やっぱり、この制度は成功しないし、もし、そういう割当、嫌だという人は、結果的に入らないわけですから、自由意思で入るんですから、無理矢理じゃないんですから、今までと違って。だから、「そんな俺は、もう減らされるような割当はもう嫌だ」と言う人は、その意思でもって入らないということもいいわけですから。そういう意味で、自分が、あくまでも選択で決めてもらう。
それから、これは、ここでは言わなかったかも知れません、僕は、現地で言っているのですけれども、そうは言っても、非常に、僕は柔軟ですから、いっぺんに、今日から、今年から、真横でいきましょうと言っているわけではないのです。今まで、30-70ぐらいでやってきたのを、これをいっぺんに50-50は無理でしょうと。だから涌井(徹)さん達も、多少、今まで自分たちがやってきたことを、後悔、反省しながら、50と言わずに近いところまできてくださいよと。こちらも、今まで、この30の恩恵で、人のあれに乗っかって増えてきたわけですから、68とか何とかというのは。それを、正規に計算すれば、もっと減るんですから。それは元に戻る。別に、彼らのために減らされたのではなくて、もともとの、まともな数字に戻っていくと。そういうことは、是非、お互いに努力して下さいと。
それは、農水省でやるわけにいきませんから、それこそ地元で、ちゃんと、大潟村の中でも、まず話し合ってもらうと。大潟村と、今度は、それぞれの他の秋田県内の地域がありますから、そういう地域協議会の人たちと、話し合ってやってもらう、それは県が指導的な役割を果たしてもらいたいということなんです。従ってもらえれば、全くそんなこと、ありませんよと、ただ、「俺たちはそんな数字には従わない」と、「俺たちは勝手に決めるんだ」と言うと、それは、そんなわけにはいかないでしょうと、これは、お金が付いて回るわけですから、税金ですから、勝手に比率を上げて、勝手に取ってはいけないお金を、もし、余分にとったら、だから、これはもう犯罪ですから、だから、そういうことは認められませんよと、そんなことは法律違反でしょということを、僕は言ったんです。
「法律違反」、これは、モデル事業で法律じゃないとかね、言ってるけど、そいういうことじゃなく、現に、お金が、取ってはいけないお金が、もし、入ってちゃうわけですから、比率を変えるということは。そうでしょ、本当は、あなたは60じゃなきゃいけませんよ、あるいは55じゃなきゃいけませんよと、いやいや、俺のところは勝手に決めて70にするんだと、その分、余分にお金が入っちゃうわけですから、そういうことは、国民の税金を使ってやる制度で、許されることではありませんよと。
だから、それは、国がまず基準を決めて、その基準に従ってやっていただける方に、税金は、一つの補助金として払うことになるし、それから、もし、そういうのは納得できないと、嫌だという人は、昔と違うんですから、去年までとは違うんですから、強制じゃないんですから、入らないということも、自分の選択肢としてありますよということなんです。
記者
関連してですけども、県側が、こういったペナルティーを科そうとしているという発言は、それは、秋田県に会見した時に、いろいろな関係者と面会して得た情報・ ・・。
大臣
もちろん。だって、農水部長も全部いたじゃないですか、知事も。
記者
ええ、県側が、直接・・・ 。
大臣
あんた自身が、じゃあ、県議会の人に聞いたり、今の、県の幹部の人たちに聞いて、絶対ペナルティー科さないと、みんな言ってると聞いたことあります?
科さないとは、絶対、言わないでしょう。だから、やっぱり、そういう気持ちはあるんですよ、差はともかく、差はともかくね 。だから、そういう気持ちも、現実問題として、これまで40年間争ってきたわけですから、それはいっぺんに氷解しないにしても、僕らは、できれば、激変緩和で、2、3年かけて、いつまでもというわけにはいきませんから、2、3年後にはね、本当に、横一線でなれるように、まず、とりあえず、今年そういうふうに参加してもらって、涌井さん達が作りすぎてる、コメを、本当の正常な数字まで落としてもらって、そして、秋田県全体が、県としての、今、数量もう出ているわけですから、その数量をきちっと守っていってもらうと、そうすれば、初めて、コメに対して、今度は補助金が出るわけですから、それが、しっかり農家の収入になって入っていくという制度なんです。
記者
今、言った激変緩和というお話ありましたけれども、いわゆる累積ペナルティーをですね、来年度はいきなりゼロにせよという意味ではないという・・・。
大臣
だから、今までの累積ペナルティーという、ペナルティーはないんです今度は、ないんです、存在しないの。若干でも残すとか、そういう意味じゃないですから、ないんです。ないけども、ただ、激変緩和で、これは、ある意味では、自主的に、当事者が納得して、数字をやっぱりこの程度でうちはいいですと、あるいは、多少新しい人も入るんで、今までもらい過ぎていた分は、私ども、多少落としてもいいんですということで、納得してもらうということですよ。
記者
累積ペナルティーがないという話でおっしゃっていますけど、結局、その来年産米の作付面積とか、数量というのは、これまでの大潟村の方々が作りすぎていたということを前提に数字が出ていると思うんですが、そうすると、大潟村はいいんですが、秋田県の、残りの24市町村からすると、今の数字というか、来年、作れる数字というのは、結局、そこに関連するわけですね。これまでの過去40年ほど振り回されてきたと思うんですが、そこが、たぶん、感情的なしこりが残るし、累積ペナルティーなしだというふうに大臣がおっしゃられても、たぶん、秋田の人は、誰一人納得しないと思うんですけれど、いかがでしょうか。
大臣
じゃあ、ペナルティーを科せということですか?
記者
じゃなくて、今作れる数量というのは、そういう背景になっているわけですね。民主党政権になって、新しい数字を出して、明らかに有利に作れるというなら分かるんですけれど・・・。
大臣
あのね、あなたが言っているのでね、半分合っていて、半分間違っていると思うんですけど、例えば、表を、僕らは書いてやっているんですけれど、余分に積み過ぎた分というのは、これは、もともと、計算に入ってないわけですよね、あの人達がどれだけ作ろうが、その、計算内の話じゃないもんですから、あくまでも、それは30でやってるわけです、分かります?
だから、全体に、コメを作り過ぎちゃっているわけです、数量としては。そのために需給が緩んで、そこの価格が、例えば、下がってしまったとか、そういうことの影響はあったんですね。ただ、その分を、あの人たちが何千トン、例えば、何百トンか分かりませんが、作ったと、その分が、どんどんどんどん、秋田県が、数を落とされた根拠になってるんだということではないと思いますよ。
記者
関連なんですが、簡略に、二つだけ。先ほどの質問と関連で、秋田県を外すということもありえますよというのは、そういう意味ではないということの確認と、発言の撤回は・・・。
大臣
違う、違う、守っていただければ、当然、そこに参加していただきたいというのが、我々の考え方です。
ただ、そのルールは守りませんという前提で、「入ります」と言われても、それは困りますねと、守る人しか入れないんですから、これは。自由意思なんですから。今までは強制力のあった制度ですけれど、今度は強制力ないんです、選択でいいんです。嫌なら入るなというようなふうに捉えられると、また、怒られるから、そう言いませんが、ご自身がお決めになることなんですよと、是非、この制度に入って、もっと今までの収入増やしたいと思う人は、積極的にたぶん入ると思うんです。だけど、その時に、「俺の取り分は、もう、これだけくれなきゃ嫌だよ」と言ったら、そんなこと認めたら、全国で、そういうことになっちゃうでしょう。
だから、統一的な基準というのは、基本的には、ペナルティーはなし、過去を問いません、入るのは自由意思です、嫌な人は入らなくても結構ですよと、今までみたいに強制じゃないですよというのが、もう大原則なんですよ、大原則。
記者
県の協議会に取材しましたところ、累積分については、農水省から何も言われていないという話で、今年分については、ペナルティーがない。ただ、累積分については、まだ、言われていないので、算定に当たっては、そこは加味するというふうな話を、うちの取材に対して答えていたのですが、今の大臣発言は、累積分も、全然、なしなんだということですか・・・。
大臣
例えば、これは、まあ、あまり、そういう細部にわたって言っちゃいけないかも知れませんけれど、誰が言ったとか、そういうこと言っちゃいけないかも知れませんので、個人名は言いませんが、ただ、私が秋田にお邪魔した時の、彼らの期待感は、まあ、ちょっと特別に増やしてくれるんじゃないかなと、秋田県だけ。 激変緩和のために、今まで、68なんていうの、異常に高いんですけれども、そういうところの人は、異常に高い、こっちの分が行っていますから、高いことは分かるけれど、しかし、これを減らすというのは、なかなか何か難しいと、だから、その分、この分を、ドーンと国が余分に見てくれれば、みんな上手くいくけどなあと、そういう期待感があったのは事実だと思うのです。
しかし、そういう意味で言えば、特別に秋田県だけ、あるいは大潟村だけ、そういうことが、やったということになると、それは、じゃあ、俺のところも、是非、そういうの見てくれみたいな、全国で、ドンドン起こってきますから、一応、正式には、私ども、僕が行ったわけじゃなくて、この間、県の方から、(総合食料局)食糧部長に行ってもらいましたが、そういうご要請があった時には、食糧部長からは、「それは、農水省としては考えておりません」ということを、その場では申し上げております。「それは、僕にも、判断、行く前に仰がれたので、それは認めるわけにはいかないねと、それを認めたらもうガタガタになっちゃうよと、みんな、それこそ、大臣の裁量や農水省の裁量で、あそこは増やし、ここは減らしみたいなことになっちゃう」と、さっきの独法の役員の数量化じゃないですけれども、「パッと見せて、なるほどなと、数値上、みんなが納得できるというものにしていかないと、やっぱり理屈は立たないね」ということで、そういうふうに私が言っておきましたので、向こうから質問があった時には、食糧部長は、そう答えているはずです。記者会見で言ったかどうかは分かりませんが、事実関係としてはそういうことです。
だから、そう難しい話じゃないと思うのです。要は、もう今までとは違って、強制じゃないんだねと、自分たちの、自主的で決めていいんだねと、だから、僕は時代が変わったことを、まだ、分かっていませんねというのは、そういうことなんです。今までは、無理矢理入らされるから、入らされるんだったら、どうしても、こういうふうにしてくよというふうになるんですけれども、今度は違うんです。嫌なら入らなくていいんです。
だから、自主的に自分が選ぶということが、まず一つと、これはもう、全然、今までと違うということと、それから、入れば必ず得になるんです。それは、この後、具体的な数字が出てくれば、みんな計算すれば分かるんですけれども、仮に68が多少落ちたって、今までのことを考えたら、需給はしっかり締まるし、固定的に所得が保障されるし、コメが上がった下がった関係なく補償されるし、安心して、安定して、農業に従事できると思ったら、みんな入りますよ。その時には、何パーセントかは分かりませんけれども、多少もらい過ぎていた人は、多少下がる。涌井さんたちも、一応、名目上30だけど、そんなもん守っていないんだから、それは、高い低い、彼らは関係ないと思いますけど 、そうじゃなくて、それが、いくつになるか分かりませんが、多少、今まで言われてた数字よりも上がっていくと。まあ、みんなと一緒は、いっぺんには無理だろうなと、彼らも分かってますから、それは、お互いに話し合えば、ちゃんと折り合えると、私は信じてます。
だから、そういうことさえやってもらえれば、それこそ、さっきの囲みじゃありませんけど、ちゃんと最後には、なると思いますよということを言ってるわけですから。
ただ、こういうことを通じて、僕は、こういう中身を知ってもらったということは、決してマイナスだと思ってないんです。大いに議論して、「ああ、そうだったのかと、そういうことなのか」ということで、多くの農業者の人たちが、この戸別所得補償制度というものに関心を持ってもらって、やるということは、非常にいいことだし、ああそうかと、自分で選べるのかと、本当に、やっぱり得なんだと、やったほうがいいんだと、やんなきゃ大変なことになるぞということを自覚してもらえるきっかけでね、この問題も考えてもらえればいいと思います。
記者
先ほどの秋田の発言で、秋田県側がペナルティーを科そうとしている動きがあるということについては、大臣が、県幹部から直接お聞きなさったという理解でよろしいでしょうか。
大臣
だから、ペナルティーという言い方が、言葉がまた一人歩きしちゃうから、そうじゃなくて、「差をつけざるを得ませんね」みたいなことは、これはもう知事も言っていたし、農水部長も言ってましたよね 。だけど、差を付けることは、それは駄目なんですよと、もともと、この制度は。ペナルティーを科さないと、同じ条件で、言葉は悪いんですけれども、そういう、過去いろいろあった人も、今まで忠実に、誠実に、やってきた方も、申しわけないのですけれども、スタート地点は、真横なんですと。まず、その考え方を持っていただかないと、地域や、あるいは、いろいろな特殊な事情や、そういうことは、後ではいろいろ配慮して、地域の方がやられるにしても、まず、基本のところで、それを「それもしょうがないですね」と、例えば、僕が言ったらですね、これは、とんでもないことになっちゃいますよね。
記者
差をつけざるを得ないということをもって、大臣が、会見で、言葉を替えて「ペナルティー」という言い方をなさったという・・・。
大臣
そういうのをやるということであれば、これは、この制度に馴染みませんねと。前提が崩れなければ入れませんということであれば、それは、この制度、それでもいいですよ、入って下さいというわけには、これ、いきませんから、ただ、それは、ちゃんと、さっきも言ったように、きちっと検証されて、計算をしてみて、そういうことを考えて見れば、当然、それは、国の基準、方針に従ってやった方が得だと、やらざるを得ないと、入ってやるなら。入らないならいいですよ。だから、これ誤解があるのは、入れないとか入れるとか、そういう話ではないのですよ。自分で決めることなんですから。別に、僕が、「はい、じゃあ、おまえ入れてやる」とか、「おまえ排除だ」とか、そういうこと、それが、もう前の感覚なんです。そういうことじゃないの。入る入らないは、自分、ご自身が意思を持って参加されるか、あるいは、「私は申しわけないけれど、こういうことをやりたいので、そういう制度に馴染まないんです、だから、私はご遠慮申し上げます」ということだってあったっていいんですね。もっと自分は別のものを作りたいということで、そういうことだってあったっていいんです。そういうことをお互いに認めていこうという制度ですから、是非、誤解のないように、そういう理解をして下さい。
僕は、ただ、気持ちとしては、冒頭言ったように、全ての人たちが納得の上で、納得の上で、この制度に、是非、入ってもらいたい。そうすれば、何十年間か解決しなかった、そういう昔の言葉で言う、「減反」、「生産調整」、今、我々が言っている「生産数量目標」、これが、初めてきちっと守られる、そういう制度になっていくわけですよね。
記者
確認ですが、仮に、県が差をつけたならば、秋田県を除外すると、制度から除外すると、そういうことも、あり得るということは考えていいのでしょうか。
大臣
だから、差をつけると県が言われるということは、今までの、例えば、「ナナサン」みたいなままで行きますよということは、もう、この制度に自ら入られないということなんですよ。 僕らが入れる入れないじゃないんです。入られないということなんですね。分かります?
記者
ということは、イコール入らないということもあり得るのですね 。
大臣
いや、ご自身が、秋田県が入られないんです 、自分で。自分たちは自分たちで、秋田県は勝手にやりますということでしょう。だって、ペナルティーは科さない、同じ条件で行きましょうと、例えば、定額部分はいくらです、麦・大豆については3万5千円ですと、「いやいや、俺のところは麦・大豆は5万円でいくんだ」と、「定額部分は、国はああ言っているけど、俺のところはそれに5千円かさ上げしてやるんだ」なんていうことは、各県が勝手にやるようになったら、もうそれはめちゃくちゃになっちゃいますから。
だから、それは、県で独自でやられたっていいんですよ。だから、それは、どうぞご自身の制度でおやりくださいと、入る入らないは、これは、それぞれの農業者の、あるいは、もっと単位が大きくなれば協議会、県、そこの単位がご判断されることで、それを、僕らが、けして追い出すとか、入れてやらないとか、そういうことを言っているんじゃなくて、この基準で、こういう条件でやっていただける方に、是非、ご参加をくださいと。その条件で、できませんという方は、「じゃあ、俺は、その条件じゃできないから入れないな」ということになるんじゃないでしょうか、そういう意味です、はい。
記者
確認なんですけれど、今の点で、秋田県内の生産数量目標の配分に、配分の仕方で、国の方針に従わなければ、県全体を対象から外すと。
大臣
そんな細かい言葉を言ってないの。数字がどうこうという・・・。
記者
そういうふうにとれますよ、今の。
大臣
いやいや、僕は、全体の、この基準、戸別所得補償制度の基準や、目的や、そういうことを理解して、それの下でやっていただけるという方じゃないとできませんねと。それも、ご自身で判断するんです、 ご自身で。「入りたい」とか、「俺は入りたくない」とか、それは、今までと違って、強制力はないんですから、ご自分が決められればいいんですよ。
記者
その「自身」というのは、農家のことをおっしゃっているのですよね 。
大臣
いや、だから農家でもあるし、トータルで、だって、県がいろいろやる場合だってあるわけでしょ。
記者
トータルで、県として配分の方法が・・・。
大臣
だから、何、今、だから言ったでしょ。麦・大豆で、僕らは、3万5千円だと決めているのに、それは、俺のところは5万円だとか、あるいは、これはもう1万円しか、これはもう作らせたくないからやらないとか、いうことの独自の基準を作ってやられる場合は、それはこの制度に馴染みませんねということなんですよ 。
記者
大臣、これは提案なんですけれども、今、「この期に及んでも」というか、やっぱり、なかなか分かりにくいという方もいらっしゃるし、そういう不満の声も上がっているのは事実ですから、もう役人に任せると、なかなかその辺はうまくいかないと思うんですね。だから、それは、政務三役が、そういう、ちょっともめているような、理解が、ちょっと難しいというところには出張っていって、直接、説明するという機会を作られたほうがいいんじゃないでしょうか。
大臣
それは、そのとおりだと思います。今度、佐々木(大臣政務官)さんも新潟へ行くのか、新潟へ。
それはもめているという意味じゃないですけど、特に、話を聞きたいと。
記者
語弊(ごへい)がありましたか。いろいろと、頭を悩ませている方々のところへ・・・。
大臣
話を聞きたいとか、あるいは、北海道は、コメが主力じゃないところもあるので、そういうところは、「じゃあ、俺たち、コメで収入入らないから、じゃあ、今までの麦・大豆では下がるんじゃないか」とか、そういう心配があったりというところは、もう、それぞれが行っていますし、山田(副大臣)さんなんかも、副大臣や郡司(副大臣)さんもそれぞれのところに行って、今、なるべく手分けしてやるようにしてます。
ですから、ただ、もう少し、言いわけじゃないですけれど、一番いいのは、額がパチッと出ると、これで定額部分とか、何とかとか、1万円の運用の問題とか、いうようなことが、きちっと決まると、もっと具体的に分かりやすく説明できると思うんですね。
ですから、たしかにいい提案だと思うんで、できるだけ、今は、要請があったところに、適宜行っているみたいな感じですから、それこそ、昨日の省内調整会議でも出たのですけれども、一回、この制度がバチッと決まったら、全国、ブロックごととか、ザーっと、そういうふうに一回組んでやってみようということも、今、もう、検討の対象にさせていただいています。
記者
前政権は、例えば農政事務所ごとにね、いろいろな説明会とかやったんですけれども、これもそういうことに準じてやる感じですか。
大臣
もちろんそうですね。それ、もうちょっと細かくなるかも知れません。やるつもりです。
舟山大臣政務官
はい、すいません。次の公務が控えておりますので、これで終わらせていただきたいと思います。
以上
参考 私のブログ記事における大潟村問題記事
「秋田県の誰がペナルティを科すといったかについては、結局示せなかった、今日の赤松農相記者会見のみっともなさ 」
「赤松農相「秋田を戸別所得補償から外す」トンデモ勘違い発言のソースは?」
「赤松農相が大潟村に謝罪というが、おかしくね?」
2009年12月10日
一昨日から、物議を醸している赤松農林水産大臣の「秋田を戸別所得補償から外す」トンデモ勘違い発言ですが、どうも、この失言・勘違いの情報ソースは、大潟村の涌井氏の情報にのみよった、非常にバイアスのかかった情報に赤松さんがふりまわされた悲しい結果なんでしょうね。
涌井氏のブログ(12月6日号) などを見ると、赤松発言と軌を一にしているのを見ても、わかりますね。
佐竹秋田県知事も
「農相と11月26日に大潟村で会った時は、連携してやりましょうと話した。その後、何らかの情報の間違いがあったのではないか」
「そのようなことを話した記憶はない。聞き間違いや情報の流れのミスによるのでは」
「農相は間違った情報を基に話していると思う。見守るしかない」
と、その可能性を暗ににじませていますね。
(さすが殿様ですなあ。大人の対応です。)
しかも、官僚非依存なもんだから、それらの発言が、経緯をよく知っている官僚の修正を経ないで、モロに記者会見で出てしまった。
しかし、一時は、農林水産省から秋田県庁に出向した幹部職員は、それこそ、大潟村減反問題担当のごとく、本省との連絡に駆けずり回っていたものなのだが。
今は、知らぬ存ぜぬを決め込むつもりなんでしょうかね?
「大臣、御裸ですよ」といってくれる人がいない。
自爆ってのは、このことでしょうね。
それとも、巧妙に形をかえた官僚の抵抗っていう感じもしますが。
まさに、縁なき衆生は度し難し—、という感じです。
それにしても、涌井さんのブログ記事 には、身勝手な論理がちりばめられていますね。
「大潟村は稲作専業農家の村であり、兼業収入が無く農業による収入が全てであり、その収入で生計を立てている。
専業農家であるが故に、生活が維持できない減反面積では減反に参加しようとしてもできないのだ。」
(ふんふん、だから過去に減反破りをした。という理由づけでしょうかね。でも、秋田県の専業農家は、あなただけではなかったのです。そして、それらの他の専業農家は、ちゃんと減反順守してたんです。)
「今までも、大潟村に対してはペナルティとして、秋田県から50%もの減反面積が配分されている。稲作専業農家の大潟村が、50%もの減反面積でどのようにして生活をしていけというのか。普通でもコスト高の農業経費が2倍の経費増になる。」
(ここからは、減反破りをした結果としての論理となっていますね。
「減反破りをした結果、ペナルティが課せられたため、コスト増により、生活できなくなっている。」という論理ですね。
ここは、自己責任の範囲と思うんですけど。)
「しかし、赤松大臣は、これからの農政は、ペナルティは課さないと約束された。
赤松大臣の発言により、大潟村の農家の多くは新しい農業政策に参加する方向性を決めた。」
(「ペナルティを課せられなければ、やっていけるので、大潟村のヤミ米派は、減反遵守に切り替えて、戸別所得補償対象の要件を整えて、新しい農業政策に参加する方向性を決めた」という論理ですね。
では、過去の減反破りをした責任というのは、それで免罪されると勘違いされているんでしょうかね。)
この論理では、ペナルティという言葉が、パラメーター(中間項)になっていて、過去の減反破りを正当化する小道具につかわれてしまっていますね。
赤松さんは、ペナルティの解除を言うと同時に、過去の減反破りは、コンプライアンス違反であった、と、しっかり言わなかったから、このような論理のすり替えを涌井さんに許してしまうことになっているのです。
そして、秋田県内の、これまで減反遵守をしてきたおおくの農家の怒りを、いまや、赤松さんは、買っているのです。
ましてや、本来は減反破りの被害者である秋田県なり秋田県内一般農家を加害者呼ばわりするのは、筋違いもいいところですね。
明らかに大臣失格です。
ご参考
「赤松農相が大潟村に謝罪というが、おかしくね?」
追記 ここがポイント『秋田県にだけ、なんで、農水省幹部が訪れたの?」
つまり、12月8日、急遽、食糧部長などを秋田県だけに派遣したのは、赤松大臣の謝った認識と指示のもとにおこなわれたのかどうか?ということが、ポイントになりますね。
これについて、12月10日の山田副大臣の記者会見 では、こんなやり取りがかわされています。
まあ、当人たちはいろいろ苦しい弁解をしていますが、これらのやり取りから透けて見えてきていることは、赤松大臣がバイアスのかかった情報をまともに受けて、その『うわさ』程度の情報を元に、総合食料局食糧部長を秋田県だけに急遽ブラフのために行かせた 、というのが、どうも真実のようですね。
政務三役会議なんて、なにやってんでしょうね。
ゲーペーウー(GPU)ごっこでもやってるのでしょうかね(www)
以下の会見の様子(山田:荒川部長、言っていないよな?→荒川:今、副大臣がおっしゃったとおりでございます。 )だと、荒川隆総合食料局食糧部長も口裏あわせの同罪ということになってしまいそうなのですが。(秋田県庁から、そのときのやり取りの詳細は、いずれ、明らかにされるんでしょうから。覚悟すべし。)
以下は記者会見のやりとりから
山田副大臣
大臣も、その趣旨で、我々、三役、今まで、きているんですが、たまたま、秋田県側で、非常に、ペナルティーを外してはいけないというような、そういう一部の声があるというお話を聞いた時 、まあ、大臣が、そんなことじゃ、困るじゃないか と、仮に 、そんなことがあったら、仮に ですよね、交付金そのものも、所得補償の、それは、あり得ないわけじゃないなという言い方を、たしかに、我々、政務三役会議で、大臣が、仮に と、あくまで、仮に 、という話をしたので、私ども、農水省、政府側としては、あくまで、やっぱり、秋田県内において、双方が、納得のいくような調整をしていただきたいということで、荒川(総合食料局食糧)部長にも、昨日、秋田の方に飛んでもらって、そういう、納得のいく説明を、私ども、農水省としても、丁寧に丁寧にやらせていただくつもりでおります。
記者
そうすると、あえて、総合食料局の幹部、食糧部長とか、要職の方を、秋田県に行って県の農林水産部長とお話をさせたというのは、なぜなのか とか、どういうお話を県側にはされたのでしょうか。
山田副大臣
いわゆる、今回の国の方針と言いますかね、今まで、大潟村についても、ペナルティー科してきたわけでしょう。しかし、今回、我々は、ペナルティー科さないとなったけれど、かといって、不公平感がないような形での調整というのをつけてもらいたい、そういう趣旨を、県側に伝えたいということから、行ってもらったということです。
記者
要は、さっきの、外すこともあり得るよ、みたいなことを言いに行ったわけではないのですか。
山田副大臣
いえいえ、そういうわけじゃありません。
記者
それは、言っていないのですね。
山田副大臣
はい。それは、荒川部長、言っていないよな?
総合食料局食糧部長
もともと、前々から、これでございます。各県に丁寧にご説明をするようにというご指示でございましたので、そういうことで、私が参ったということでございます。今、副大臣がおっしゃったとおりでございます 。
山田副大臣
私も、各都道府県から、課長クラスとか、課長補佐クラスかな、集まって生産数量目標を割り当てた時に、皆さんにお話しした時に、ペナルティーを今回は外させていただきますという話をして、その時も、ある程度の納得いただけたと、そうは思っているんですがね。そういう意味では、調整の難しい県には、できるだけ出かけて行って、丁寧に説明して欲しいと、今、言っているところです。
記者
ちょっと、くどいですけれども、大臣のご発言の中で、やっぱり県の知事とか幹部が、制度の理解が足りないようだという趣旨のことをおっしゃってたようなんですが、副大臣自身の今のご認識では、いろいろな各地の中で、秋田県のところだけ、制度に対する理解が甘いんじゃないかとか、あまりきちんと分かってないんじゃないかとか、そういうご認識は、副大臣はお持ちなんですか。
山田副大臣
いえ、別に持っておりません。それは、各都道府県担当者に、私からも、今回の制度の説明はしておりますし、そういう、秋田県だけ特別に理解してないという気持ちは、私どもには、ありません。
記者
秋田の話に戻るのですけれども、先ほどの荒川部長のお話ですと、一般的な説明の、各都道府県を訪れる一環として行ったというようなニュアンスに聞こえたのですけれども、それだとすると、だいぶ、大臣のおっしゃったのとは齟齬(そご)があるような気がしてならないのですが、何らかの、誰が何を言ったかはともかくとして、どうも秋田の方で制度が誤解されているようだという、そういう問題、秋田固有の問題意識があって派遣されたということではないのでしょうか。
山田副大臣
先ほどから言っているように、仮に 、もし、我々の原則に反してペナルティーを科すようなことのないようにと、そういう意味で行ったもので、それはね。そういうことも説明してきたんじゃないかと、そう思ってます。
記者
いや、なぜ、わざわざ食糧部長を秋田に派遣されたのか という話なんですけれども、その発端には、やっぱり何かしらの問題意識があって、仮にと、おっしゃいますけれども、どうも何か県の側でこういう動きがあるようだとか、こういうふうに誤解されているようだとか、分かりませんけれど、何らかの問題意識があって派遣したということではないのでしょうか。
山田副大臣
県の側だって、そこは、定かに聞いていませんが、たしか政務三役会議の時には、秋田県においては、大潟村の生産調整について、今まで全く非協力的な農家に対しても配分するということはけしからんという声が、かなり湧いているという話が、政務三役会議の中であったんじゃないか と、そんなこともあって、大臣が、ああいう発言になり、部長も、丁寧に、秋田県に我々の趣旨を説明に行った、というところじゃないかと、そう思っておりますが。
記者
地元でどうもそういう話があるようだということで行かれたと。
山田副大臣
うん。はい。
記者
そうすると、ペナルティーを、2010年産米の配分で科そうとしていたという大臣の発言で、県側は、それは全くないと言っていますけれども、副大臣は、それは、事実、科そうとしていたということは、事実だったとお考えなのでしょうか。それとも、そういう事実はなかったと考えているのでしょうか。
山田副大臣
私はね、そういうことが大潟村であっているようだというのは、噂程度の話が、政務三役会議の中で出てきたんじゃないか と、秋田県がそう言ったとか、市がそういったとか、そういう、水田調整会議がそう言ったとか、協議会がそう言ったとか、そういう話は聞いていないのですがね。
記者
そうすると、噂程度の話を会見でしゃべられるということは、これは、適切であったのでしょうか。
山田副大臣
まあね、そんな、軽い気持ちで話したと思うのですが、大臣ね。
そういう深刻に、秋田県側に交付金を云々(うんぬん)とかという気持ちはなかったと思いますよ。それは、我々、制度上考えられないことですから。双方が、納得いくように調整して下さいというところですから、政府としてはね。
記者
そうすると、噂程度の話を軽い気持ちでしゃべって、秋田県側は納得いかないと、事実無根だと怒っているといいますか、抗議の意を示しているわけです けども、それに対しては、農水省としては、何のリアクションもとらないということなのでしょうか。
山田副大臣
軽い気持ちでというのはどうだったか、適切ではないかも知れませんけれど、大臣としては、この戸別所得補償に対する思い入れが強いですから、ペナルティーを科さないという方針は貫いて欲しいと、そういう気持ちもあって、ああいう発言に結びついたのじゃないかと、そう思いますがね。
以上
参考 私のブログ記事における大潟村問題記事
「秋田県の誰がペナルティを科すといったかについては、結局示せなかった、今日の赤松農相記者会見のみっともなさ 」
「赤松農相「秋田を戸別所得補償から外す」トンデモ勘違い発言のソースは?」
「赤松農相が大潟村に謝罪というが、おかしくね?」
2009年12月3日
WTO閣僚会合に出席してきた赤松農林水産大臣が、12月1日には、分科会に出席したほかウォーカー農業交渉議長やボエルEU農業委員と個別会談したというのだが、そのボエルEU農業委員との席で、ボエルEU農業委員が、日本の新政権が戸別所得補償制度を軸とした新しい政策を検討していることに触れ、WTO協定上、問題にならないかと赤松農相に質問したうえで、「EUのデカップリング政策を参考にしてほしい」と述べたというのだが、これに対して、赤松農相は、「EUをはじめいいところは見習っていきたい。」と答え、、戸別所得補償制度がWTO協定に「心配をかけることがないような配慮は十分にしていきたい」と応じたという。
参考「【WTO閣僚会合・4】2010年妥結「そう簡単ではない」 WTO閣僚会合で赤松農相」
果たして、赤松農相、そのボエルEU農業委員が指摘した真意がおわかりになったのでしょうかね?
つまり、ボエルEU農業委員が「EUのデカップリング政策を参考にしてほしい」といったのは、日本が参考にすべきEUの直接型支払いは、「1992年のMacSharry reforms(Old Cap)と呼ばれているWTO非適合型直接支払い(“compensatory payments” )」ではなくて、「2003年のFischer reform(New Cap)と呼ばれる、Old Capの見直しによって生まれたWTO適合型直接支払い(”decoupling’ payments “)である。」ということなのですね。
ところが、日本の新政権が目指しているという戸別所得補償は、「完全に生産からニュートラルなデカップリング」のスキームではないものですから、ボエルEU農業委員が心配したということなんではないでしょうか。
それとも、ひょっとして、ボエルEU農業委員、私のサイト「私が農林水産省に提出した戸別所得補償制度に関する意見の全文 」でもみたんでしょうかね?
アメリカのUSDRもEUも、よく、私のサイトを訪れることあるもんで。
日本の戸別所得補償制度のスキームが、国辱もののスキームとならないことを切に願うばかりです。
ちなみに、ボエルEU農業委員は、OldCAPをヘルスチェックし、NewCAPに仕立て上げた立役者です。
OldCAP(MacSharry reforms)に対する批判は、大きく二つあって、第一は、財政負担があまりに大きくなってきていること。第二は、必ずしも、生産に対して、ニュートラルではない。との批判でした。
このサイト「Fischer Boel: Future farm policy ’should bolster production’ 」では、ボエルEU農業委員が、今後のEUの直接支払いの目指すべきは、EUへの新加盟国への支払いの傾斜と旧加盟国の支払いの漸減の必要性、直接支払いから農村開発・環境資源開発への財源のシフトの必要性、直接支払い財源の縮小には一定の調整期間が必要であること、など、今後のEUの直接支払いについての展望と見通しを語っていて、興味深い。
なお、ボエルさんは、今年でEUでの五年の任期を終え、それまでのCommissioner for Agriculture and Rural Developmentの座をルーマニアのDr Dacian Ciolosさんに譲る予定となっている。
参考 ボエル(Mariann Fischer Boel)さんのブログとサイト
ブログ
サイト
EU議会で演説するボエル(Mariann Fischer Boel)さん